「なぜか儲からない」の謎を解明。製品原価の徹底可視化で実現した、製造業の利益体質改善

「なぜか儲からない」。その漠然とした不安の正体は、自社の活動を数字で捉えられていないことに起因します。私たちは、お客様の現場に深く入り込み、これまで見えていなかった「原価」を徹底的に可視化します。正確な数字という「羅針盤」を手に入れることで、企業は初めて利益という目的地に向かって、確かな航海を始めることができるのです。

  • 業界: 製造業
  • 事業内容: 製造業向け素材の開発、製造
  • 従業員数: 約50名

売上は順調に伸びているにも関わらず、なぜか利益が残らない。月末の試算表を見ては、経営陣が頭を抱える日々が続いていました。どの製品が儲かっていて、どの製品が赤字なのか。どの工程に無駄があるのか。全てが「どんぶり勘定」で、感覚的にしか把握できておらず、価格設定も競合の動向を見ながら場当たり的に行っていました。このままでは、売れば売るほど苦しくなる、という最悪の事態に陥りかねない状況でした。

現場での実測による「生きた」原価分析: 机上の計算ではなく、実際に製造現場に足を運び、ストップウォッチを片手に各工程の作業時間や材料費、段取り時間などを実測・分析。これまで見えていなかった、製品ごとの「生きた」原価を徹底的に可視化しました。

現場で使える、シンプルな原価管理の仕組み構築: 複雑なシステムは導入せず、現場の担当者が無理なく、かつ継続的に運用できるExcelベースのシンプルな原価管理の仕組みを構築。自分たちの仕事が、どうコストに繋がっているのかを「自分ごと」として理解できる工夫を凝らしました。

データに基づく具体的な改善アクションの提案: 明らかになった原価データを基に、不採算製品の価格交渉や終売の判断、利益率の高い製品への販促強化、そして生産プロセスのボトルネック解消など、すぐに実行できる具体的な改善アクションを、現場の皆様と共に考えました。

製品ごとの正確な利益率が明らかになり、戦略的な価格設定や、注力すべき製品の選定が可能になりました。不採算製品の整理と、高収益製品への注力により、会社全体の利益率が5ポイント向上。何よりも大きな成果は、全社的にコスト意識が芽生えたことです。現場の社員が自ら「この工程はもっと効率化できる」と改善提案を行うようになり、「なぜか儲からない」という漠然とした不安は、「どうすればもっと儲かるか」という前向きな議論へと変わりました